新元素の慣用名及び元素記号の命名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 08:19 UTC 版)
「元素の系統名」の記事における「新元素の慣用名及び元素記号の命名」の解説
元素の命名に際して上述の様な系統名は系統的に定められる利点があるものの、既に用いられきた伝統的な名称(慣用名)にそぐわず、面白みもないものであり、あくまで暫定的なものに過ぎない。そこで新元素の名称及び元素記号に対する命名については2002年にIUPACからの勧告が出ている。そこでは発見者が名前(慣用名)を提案する権利を持つと謳われている。また伝統に合致するよう、 a.神話上の概念や登場人物(神)(天体を含む) b.鉱物や類似する物質 c.場所や地理的な領域 d.元素の性質 e.科学者への献名 の何れかによって命名されるべきであり、過去に別の元素に対して用いられた名称(廃棄名)・元素記号は再利用すべきでないとされている。また金属元素は-iumで終了すべきであるが、17周期の元素は-ineで18周期の元素は-onでそれぞれ終了すべきであるとされている。 なお、勧告には100番元素以降に対する命名と明記されており、正式名称(慣用名)が決定するまでの間「何番元素」という呼び方あるいは暫定名である系統名を用いる、そして元素記号が必要ならば3文字の暫定的な元素記号を用いるべきであるという旨が明記されている。これは暫定名である系統名は正式名称の定まるまでの利用が想定されており、かつ2002年の勧告時点では系統的な元素記号が高々2文字となる99番元素迄の全ての元素の慣用名とその元素記号が命名・制定済みであったため、暫定的な記号は全て2文字の元素記号である(逆もまた然り)からである。このように系統名は慣用名に優先して用いられるべきものではないので、逆に系統名で既存の(99番迄の)元素を命名することを禁じてはいないが想定されてもいないことが判る(このため高々2文字となる系統的な元素記号、例えばBやHe、Neが在来の記号とホモニムとなるような事態は考えなくて良い)。 エキゾチック原子に対する系統的な命名法は存在しないが、ミューオニウム (muonium、元素記号Mu)はIUPACで命名されており、化合物も合成され命名されている。その他、元素記号を有するエキゾチック原子にはポジトロニウム (positronium、元素記号Ps)が挙げられる。
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