敵対的矛盾と調和的矛盾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 09:43 UTC 版)
マルクスとエンゲルスは「敵対する矛盾と調和する矛盾」と言い、これを毛沢東が持ち出した。敵対的矛盾とは、対立する両者が闘争し、止揚によって矛盾が克服されるもので、調和する矛盾とは、両者が調和するように努力しなければならない、実現そのものが解決である矛盾である。これに対して、板倉聖宣は「矛盾に2つの種類はない」と否定した。たとえば敵対的矛盾として「資本家と労働者階級の矛盾」があげられているが、この矛盾を無くさないといけないとすると、相手を打倒することになる。しかし資本家を打倒してしまえば労働者は失業する。矛盾を無くすために資本主義社会で本当に資本家を倒してしまうと労働者もいなくなってしまい、社会は止まってしまう。「発展の原動力」というなら、敵対的であろうと調和的であろうと矛盾はなくしてはいけないもののなずだと批判した。「矛盾」を「敵対」と「調和」に分ける基準はなく、決めるのは権力者ということになってしまう点も非常に恐ろしいことだと指摘した。 これに対してマルクス学派は資本種社会の根本的な矛盾は、生産の社会性と生産手段の私的所有との矛盾であるとして、生産手段の私的所有の関係をぶち切って生産手段を全国民の管理下に置き、社会的な所有に変えれば解決するとした。
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