政治的対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/10 07:31 UTC 版)
アメリカ合衆国では、かねてより環境保護活動家や環境保護団体が問題視していたツナ缶原料のキハダマグロまき網漁におけるイルカの混穫・捕殺に対処するために、1972年に海洋哺乳類保護法(en:Marine Mammal Protection Act:MMPA)が施行された(1988年に改正)。アメリカ船における全米熱帯マグロ類委員会(IATTC)委員のオブザーバー乗船、日没時の操業や申告に減少しているイルカ類を網で取り囲む事への規制、爆発物の使用禁止、船長の職務基準などが導入された。アメリカ船への規制が厳しくなる一方、外国船によるマグロ漁が増えたため、連邦議会は海洋漁業庁に改善を勧告し、その流れで1990年9月にIATTCが東部熱帯太平洋でマグロまき網漁を行う全ての船が3年以内にアメリカ船と同等の対策をとる計画を採択、1992年までにメキシコ船を除いた全ての国でオブザーバーが乗船する事になり、1995年までに東部熱帯太平洋で捕殺されるイルカを4095頭にまで減少させた。 またアメリカは、中南米の漁業者がイルカを混穫する可能性がある漁法で水揚げしたマグロおよびツナ缶の輸入を禁じた。その後調停を経て、中南米も完全にイルカを巻き込まない人工集魚装置(Fidh Aggregeting Devices:FADs)を使用したまき網漁業に転換し、アメリカに輸入されるツナ缶にはDolphin Safeマークが付けられるようになった。
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