接語と接辞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 03:03 UTC 版)
接語と接辞は一見似ているが、語として機能する接語と、語の中に現れる接辞とは構造上全く異なる。ただし様々な言語で、接語だったものが独立性を失って接辞になることはしばしば見られる。 英語の n't が接語ではなく接辞であることをズウィッキーとプラム(英語版)が示した時に用いた基準を以下に示す。 接語接辞定義発音上は語と結び付いているが、構造上は語ではなく句や節とつながりがあり、独立の語として働く。私の妻の弟発音: 私の / 妻の / 弟構造: [[[私 の] 妻] の] 弟 my wife's brother発音: my / wife's / brother構造: [[my wife] 's] brother 発音上および構造上、他の語あるいは形態素に結び付いて一つの語をなす。called helped aren't couldn't 性質一般に、様々な種類の語と結び付く。弟の手紙 (名詞の後) 彼の手紙 (代名詞の後) 彼からの手紙 (接置詞の後) the mayor's brother (名詞の後) the mayor of London's brother (固有名詞の後) a friend of mine's brother (代名詞の後) 一般に、狭い種類の語と結び付く。call - called (動詞の後) could - couldn't (助動詞の後) 例外的な欠落が無い。 例外的な欠落があり得る。*musted *oughted *amn't *mayn't 例外的な語形が無い。 例外的な語形があり得る。have - had (*haved) do - did (*doed) eat - ate (*eated) will - won't (*willn't) 例外的な意味の変化が無い。 例外的な意味の変化があり得る。shall (…だろう) - should (…するべき) *use to - used to (かつて…していた) must (…しなくてはならない) - mustn't (…してはならない) ex. don't have to (…しなくてよい)
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