接触脱ろう(蝋)法
【英】: catalytic dewaxing process
石油製品の流動点の改善を目的としたプロセスで、比較的容易に水素化精製に近似したプロセス・フローで選択的にろう分(ノルマル・パラフィン)を水素の存在下で接触的に分解することにより石油留分の流動点を下げる。中間留分増産および潤滑油精製の一つの手段として、最近わが国でも実用化され始めている。この種の接触脱ろうプロセスには、特異な構造を有するゼオライト触媒を用いるモービル法(燃料油精製用の MDDW 法と潤滑油精製用の MLDW 法の 2 種がある)および富士石油一東レの共同開発になる FTZ 法並びに白金/モルデナイト系の触媒を用いる BP 法とがある。いずれのプロセスも灯・軽油の脱硫条件に近い条件下で、接触的に脱ろうするが、ろう分(ノルマル・パラフィン)は分解されてガスやナフサを生成する。原料中のろう分が多いほど副生するガスやナフサの収率は大きくなり、目的とする脱ろう軽油の収率は小さくなる。また、モービル法および FTZ 法と BP 法では脱ろう反応の形態が異なり、前者は脱ろうのための分解反応の際、水素をほとんど消費しないため、副生ガスやナフサはオレフィンが多くナフサのオクタン価が高く、簡単な処理の後ガソリンとして利用できる。これに対し、後者は水素化して分解するため多量の水素を消費するほか副生ガスやナフサは水添されており、副生ガスの性状は回収して LPG とするのに適しているが、ナフサはオクタン価が低いためガソリンとしての利用度は低い。 |

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