排煙脱硫
【英】: flue gas desulfurization
石油中に存在する硫黄分による大気汚染を防止するために、石油を脱硫する方法があるが、また一方、硫黄分を含んだ燃料油を燃焼後、その排ガス中の硫黄酸化物(大部分が亜硫酸ガス)を除去する方法がある。これが排煙脱硫である。 排煙中の硫黄酸化物を硫酸、硫安、石膏{せっこう}などで回収する方法である。乾式法と湿式法とがある。乾式法には、酸化マンガン法、接触酸化法などがある。乾式法は排煙温度を低下させることなく、吸収により脱硫を行うことができるため、煙突からの拡散が容易であるが、反応率が湿式に比べ悪く、装置が大型化する。湿式法には、石灰法、アンモニア法、かせいソーダ法、水マグ法などがあり、石こうや硫安で回収したり、無害な硫酸塩などの形で放出させたりする。反応率が高く、装置が小型ですむ反面、排煙温度の低下によるガスの拡散不良の問題がある。これに対しては、再加熱設備をつけて排煙温度を上げる方法がとられる。現在の排煙脱硫の設置状況からみると湿式法を採用しているところが多い。 |

排煙脱硫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/01 01:32 UTC 版)

排煙脱硫(はいえんだつりゅう)とは、排ガスから硫黄酸化物(SOx)を除去する技術である[1]。
石炭火力発電所、ごみ焼却施設のほか、船舶にも用いられる[2]。
方法
アルカリ性の物質と中和させる湿式法の使用が主流である[1]。
湿式法
海水をワンパスさせる方法(オープンループ法)とアルカリ性の薬剤を溶かした液を循環させる方法(クローズドループ法)の2つに大別される。海水を使えば薬剤コストを節約できるが、排出規制により広い海域の船舶しか使うことが出来ない[3][4]。
薬剤には水酸化ナトリウムや石灰、水酸化マグネシウムなどが用いられる。
排煙脱硫以外の方法
あらかじめ水素化脱硫などを通して燃料自体から除去し、硫黄酸化物の発生を未然に防ぐ。航空機など脱硫装置を搭載する余裕がない機械にとっては特に重要。
脚注
- ^ a b “排煙脱硫技術 - 環境技術解説|環境展望台:国立環境研究所 環境情報メディア”. tenbou.nies.go.jp. 2025年3月15日閲覧。
- ^ “SOxスクラバ|船舶用排ガス浄化システム SaveBlue”. 富士電機. 2025年3月15日閲覧。
- ^ “P_TITLE”. www.sanwadock.co.jp. 2025年3月14日閲覧。
- ^ “メガコンテナ船向け舶用 SOx スクラバー実設計”. 三菱重工技報. (2019) .
「排煙脱硫」の例文・使い方・用例・文例
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