排ガスへの影響について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 01:11 UTC 版)
「バイオディーゼル」の記事における「排ガスへの影響について」の解説
米国環境保護局(U.S. EPA)の調査によると、軽油中のFAME混合率を高めると、ディーゼルエンジン排ガス中の粒子状物質(PM)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)は減少するが、窒素酸化物(NOx)は増加すると報告されている。NOxが増加するのは、バイオディーゼルには軽油と比較して多くの酸素が含まれており、燃焼するとき吸気中の窒素とより容易に結合することが原因であると考えられている。 一方、環境省の中央環境審議会答申によると、FAMEを使用した場合の排出ガス性能に与える影響について以下のようにとりまとめられている。 FAMEについてのこれまでの調査により、FAMEを軽油に添加すると、触媒を装着していない場合には、軽油のみを使用した場合に比べ、PM中のSOF(燃料や潤滑油の未燃焼分からなる有機化合物)が増加する。また、NOx、一酸化炭素(CO)がわずかながら増加する場合があり、さらに、未規制のアルデヒド類やベンゼン類も増加する傾向がみられたが、酸化能力の高い触媒を装着することにより、増加していたこれらの排出ガス成分を低減できることが示された。ただし、これまでの調査結果のみでは、FAMEの添加割合に応じたガスへの影響等が定量的に明確にはされていない。 このことから、FAMEを軽油の代替として又は軽油に添加して使用する場合には、酸化能力の高い触媒を装着する必要があり、その旨を徹底することが適切である。しかし、現在までの調査結果によると、FAMEの軽油への添加量の上限値等、FAMEに係る燃料許容限度目標値を設定することは困難である。
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