捕鯨との関わり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 00:13 UTC 版)
商業捕鯨時代には日本の捕鯨船が南氷洋でクジラとともにペンギンを生け捕りにして持ち帰り、動物園や水族館に譲渡されて飼育・展示されていた。長崎水族館で39年間に渡って飼育され世界最長飼育記録を残したキングペンギン「ぎん吉」や、同館で28年間に渡って飼育されたエンペラーペンギン「フジ」も、大洋漁業(のちのマルハ)の捕鯨母船「第二日新丸」に捕獲され渡来した個体であった。捕鯨母船では上甲板にペンギン用のプールを特設したものもあり、船員たちの憩いの場になっていたという。 船内では餌に解凍して切り刻んだ鯨肉が与えられ、船員らは荒波による船酔いで食事が喉を通らない日でもペンギンの給餌は怠らなかった。しかし船員もペンギンに関しては素人のため、過剰な給餌で消化不良や痛風を起こし体調を崩す個体もいた。また、南極からの帰航は温暖な赤道周辺を必ず通過しなければならないため、低温乾燥地帯原住で抵抗力の弱いペンギンはアスペルギルス症を発症しやすく、帰港時にはすでに衰弱していた個体や園館に譲渡されたのち短期間で死亡してしまう個体も少なくなかった。
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