拝と礼の異同
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/28 20:54 UTC 版)
拝礼方法の呼び名については、これを二拝二拍手一拝と呼ぶ神社もあれば、二礼二拍手一礼と呼ぶ神社もあり、神社によってまちまちである。神社の中には「二拝二拍手一拝は二礼二拍手一礼とも言われます」として、二礼二拍手一礼を二拝二拍手一拝の別称と見なす場合があり、また、「二礼二拍手一礼は、厳密には二拝二拍手一拝、もしくは再拝二拍手一拝というのです」として、二礼二拍手一礼を通称と見なす場合もある。 神社界の外においても「二拝二拍手一拝」と「二礼二拍手一礼」の言葉の区別は適当である。たとえば、1985年に靖国神社問題が国会で取り上げられたとき、政府が「二拝二拍手一拝」の語を用いる一方、野党議員は「二礼二拍手一礼」の語を用いていたが、それで話が通じていた。21世紀の現代でも、靖国神社は「二拝二拍手一拝」の語を用いており、また、判決文などの公文書もそれを「二拝二拍手一拝」と表記するが、新聞記事はそれを「二礼二拍手一礼」と書くことがあり、政府も国会答弁で(公式に)それを「二礼二拍手一礼」と呼ぶことがある。 ワイドショー番組やブログ記事などでは、二拝二拍手一拝と二礼二拍手一礼は異なるものであり、前者は後者よりお辞儀が深く、「拝」は角度90度、「礼」は30度、などというような説明がなされることがある。一方、普通の神社では、腰を90度に折るような深いお辞儀を「拝」と呼び、それより浅いお辞儀を「揖」と呼び、「拝」と「揖」とを総称して「礼」と呼ぶ。つまり「拝」は「礼」の一種であって、別個の物ではない。 また、戦前の文部省制定「礼法要領」は神社参拝時の「拝」を約45度、「揖」を約15度と定めた。「礼」という言葉については、それ一文字を単語として用いなかった。「礼法」という言葉で礼儀作法全般を指しており、「礼」の一字で特定角度のお辞儀を指すようなことはなかった。
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