抄訳と全訳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 08:16 UTC 版)
「与謝野晶子訳源氏物語」の記事における「抄訳と全訳」の解説
この第一回目の翻訳は、全文の翻訳ではなく「抄訳=ダイジェスト」であるとされるが、巻ごとにその抄訳の程度は異なっており、桐壺など冒頭巻のいくつかは概ね原文の半分程度に抄訳されているのに対して、次第に抄訳率は低くなり、宇治十帖の後半の巻では原文より長い訳文になっている。このようになった理由については与謝野晶子と金尾種次郎とで異なる説明を行っている。与謝野晶子自身は「従来一般に多く読まれていて、難解の嫌いに少ない桐壺巻以下数帖までは、その必要を認めないために、特に多少の抄訳を試みたが、この書の中巻以降は原著を読むことを煩はしがる人人のために意を用ひて、殆ど全訳の法をとったのである。」と最終巻である下巻二に付した「新訳源氏物語の後に」において述べている。一方金尾種次郎によれば、当初の計画では源氏物語全体を全1000頁ほどとするため抄訳であったが、上巻刊行後読者からの「もう少し詳しく書いて欲しい」という要望により後半は全訳に近いものになったとしている。
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