戦術級システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/11 08:44 UTC 版)
「ドイツ軍のC4Iシステム」の記事における「戦術級システム」の解説
他の北大西洋条約機構諸国海軍と同様、ドイツ海軍でも、戦術級C4Iシステムとしてはアメリカが開発した海軍戦術情報システム(NTDS)を採用している。ここで使用される戦術情報処理装置としては、最初期より、国産のSATIRシリーズ(System zur Auswertung taktischer Informationen auf Rechnerschiffen)が運用されてきた。また、のちに高速艇用の簡易版としてAGIS(Automatische Gefechts und Informations-System Schnellboote)も開発された。 SATIR 駆逐艦/フリゲート向けに開発された機種。SATIR-I リュッチェンス級駆逐艦に搭載されたもので、NTDSの開発を行ったアメリカのUNIVAC社によって開発された。オリジナルにあたるアメリカ海軍のチャールズ・F・アダムズ級ミサイル駆逐艦に搭載されたJPTDSと同様の構成で、駆逐艦級艦艇に搭載できるNTDS対応機としては最初期のものである。 SATIR-II/F122 ブレーメン級フリゲートに搭載されたもの。SATIR-Iを元に、周辺機器もデジタル化・統合化したほか、対潜戦およびヘリコプターの航空管制能力も強化されている。AN/UYK-7コンピュータを中核として、OJ-194ワークステーションを9基備えている。1990年代中盤に、AN/UYK-43コンピュータの採用やプログラムの改良など、SATIR-III/F123の技術をバックフィットする改修を受けている。 SATIR-III/F123 ブランデンブルク級フリゲートに搭載されたもの。基本的にはSATIR-II/F122の発展型で、新型のAN/UYK-43を中核に、国産のアトラス・エレクトロニック社製DG-802-52コンソールを14基備えている。プログラミング言語としてはAdaが使用されている。 AGIS アルバトロス級ミサイル艇(143型)およびゲパルト級ミサイル艇(143A型)に搭載された。SATIR-Iをもとに、Sボート(高速艇)向けとして開発された簡易版で、フランスのヴェガ・システムに相当するものである。UNIVAC-1830コンピュータ×2基を中核としており、1基はFURと呼ばれて指揮・統制を担当、もう1基はFLRと呼ばれて射撃指揮を担当する。1976年より就役を開始した。
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