成長と分裂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/10 06:25 UTC 版)
一般に桿菌は分裂の際、菌体の長軸方向、すなわち円筒の太さが一定で長さだけが長くなるかたちで成長し、ある程度の大きさまで成長すると、その中心でほぼ均等に二分される形で分裂する。このとき、菌体の中央部分に新しい細胞壁が作られて中心から成長するものと、菌体の端に新しい細胞壁が作られて先端成長するものが知られる。前者には大腸菌や枯草菌など桿菌の多くが、後者にはジフテリア菌など一部のものが該当する。どちらの場合でも、菌体の端部の細胞壁のうち、片方は分裂前の古いもの、もう片方はその分裂の直前に作られた新しいもので、それぞれ構成されることになり、桿菌菌体の両端は「全く同じ」というわけではない。言い換えれば、桿菌の菌体には極性があることが明らかになっている。また、このことから、細胞分裂が繰り返されていっても、最初の菌体を構成していた細胞壁を一端に持つ子孫がずっと存在しつづけることになる。 このような一般的な二分裂の他に、不均等な分裂(芽胞形成菌が芽胞を作る時に見られる)や、放線菌に見られるように成長した菌糸が一度に多数の菌体に分断されたり、一種の胞子形成などによって増殖するケースなど、桿菌でも菌種によっては特殊な形で成長や分裂をするものがある。
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