恒星の活動が居住性に与える影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 14:33 UTC 版)
「TRAPPIST-1」の記事における「恒星の活動が居住性に与える影響」の解説
K2ミッションでのケプラー宇宙望遠鏡の観測期間中に、TRAPPIST-1が何回かフレアを起こしていることが判明した。そのうち最も大規模のフレアは、太陽で観測された最大級のフレアであるキャリントン・イベントに匹敵するレベルだった。TRAPPIST-1系の惑星は地球よりも主星にはるかに近い軌道を回っているため、このようなフレアは、惑星において地球上で最も強力な磁気嵐よりも10〜10000倍強い磁気嵐を生じさせる可能性がある。フレア放出に伴って放出される放射線による直接的な危害に加えて、定期的なフレア放出は惑星大気の化学組成を変化させ、長期に渡って大気を失わせる可能性がある。十分に強い磁場を持っていれば、惑星大気はそのようなフレアによる有害な影響から保護されるが、地球のような太陽系外惑星がその影響から守られるには10~1,000 Gの磁束密度が必要となる(比較として、地球の磁場の磁束密度は約0.5 G程度である)。2020年の研究では、TRAPPIST-1がスーパーフレア(ここでいうスーパーフレアとはキャリントン・イベントの2倍、少なくとも1026 J以上のエネルギー放出があるものと定義される)を起こす割合は4.2+1.9−0.2回/年であると求められ、惑星の大気中に含まれるオゾンを永久に失わせるほどの頻度ではないとされた。
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