恒星の掩蔽によって判明したこと
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 02:54 UTC 版)
「冥王星」の記事における「恒星の掩蔽によって判明したこと」の解説
1985年の恒星の掩蔽(恒星食)の観測から、冥王星は大気を持っているということが分かった。この発見は1988年に起きた別の掩蔽の詳細な観測により確認され、著しく補強された。大気を持たない天体が恒星を掩蔽すると、恒星は瞬間的に消える。冥王星の場合、恒星は徐々に暗くなっていった。暗くなっていく割合から、冥王星の大気圧は、地球のおよそ70万分の1の0.15パスカルと分かった。 2002年には、冥王星による別の恒星の掩蔽の観測と分析が、パリ天文台 のブルーノ・シカルディ、マサチューセッツ工科大学(MIT) のジム・エリオット、ウィリアムズ大学 のジェイ・パサチョフが率いるチームによって行われた。冥王星が1988年よりも太陽から遠ざかっており、したがって冥王星はより気温が下がり大気濃度も減少しているはずだったが、驚くべきことに大気圧は従来の2倍の0.3パスカルと推定された。21世紀初頭現在、最有力な仮説は、冥王星の南極が1987年に120年ぶりに影から出たため、窒素が余分に極冠から昇華したという説である。過剰の窒素が大気から凝縮するには数十年がかかると考えられている。 MITとウィリアムズ大学のエリオットとパサチョフのチームと、レスリー・ヤング率いるサウスウエスト研究所のチームは、2006年6月12日に起きた冥王星によるさらに別の恒星の掩蔽をオーストラリアから観測した。
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