恒久的なスーク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 10:08 UTC 版)
娯楽に重点が置かれておらず、売買の場となる。今日ではこのタイプのスークが一般的となっている。ウマイヤ朝の時代までは、恒久的といっても、広場に商人が屋台を運び入れ、日中のみ商いをして夜には屋台を撤収していた。先着順で、誰も広場の決まった場所を占有する権利はなかった。ウマイヤ朝になってはじめて、個々の商人に特定の場所が貸し出された。こうして広場に小屋が建てられ、そこに夜間、商品をストックするようになり、スークの姿が一変した。当初、スークには多くの規制があった。スークの中に「ゴールドスーク」、「スパイススーク」、というように同じ商品を扱う者ごとに狭い一角にまとめて押し込められ、それぞれをまた「スーク」と呼んだ。 スークはやがて契約や課税という点からも街の行政の中心へ成長した。市の中心部へと位置したスークは、取り引きの場、行政・司法の座、ハーン(キャラバンサライ)、モスク、マドラサ、ハンマーム等を内包する地区を形成した。外部から来た商人は、荷物をキャラバンサライの倉庫に入れて数日間宿泊した。 アフリカでは今なお、人々はただ座って時を過ごしたり、語らうためにだけスークに集まってくる。アラブ世界の美しく典型的なスークとして、モロッコのフェス、シリアのアレッポにあるアル=マディーナ・スーク、イエメンのサナアの3つがあげられる。ただし、アレッポについては2011年よりシリアで続く内戦の影響で歴史的な店舗の大半は焼失した。
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