応急組織
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 04:59 UTC 版)
「ダメージコントロール」の記事における「応急組織」の解説
海上自衛隊の場合、第3分隊(機関科)内に応急長および応急士が配置されており、応急作業の指揮にあたる。専門の要員としては応急工作員がいるが、最初の損傷によって応急要員が全滅し、残った乗員が応急対策に不慣れであったために艦の喪失につながった例も少なくなかったことから、現在では全乗員が応急対策の訓練を受けるようになっている。また応急要員が全滅することを避けるため、自衛艦の場合は応急員待機所を艦の前・中・後部の2・3ヶ所に分散配置している。現在の護衛艦では遮浪甲板型かそれに準じた船型を採用しており、2層の全通甲板(あるいはほぼ全通した甲板)を有するが、このうち下側の第2甲板が応急甲板として位置付けられており、応急対策の首座となる。上記の応急員待機所や、作業を統括する応急指揮所もこの甲板に設けられている。また1980年代以降に建造された護衛艦では、応急指揮所に応急監視制御盤を搭載している。これは主要区画の火災の早期発見や各種タンクの監視、補機類の作動・運転状況を1個のコンソールに統合したものである。 呼吸用保護具としては、1930年代以降、循環式呼吸装置である酸素呼吸器(OBA)が広く用いられてきた。これは超酸化カリウムによって二酸化炭素を吸収するとともに酸素を供給するものであるが、逆に酸素供給過多に陥る場合があるなどの欠点があったことから、アメリカ海軍では、2001年より空気タンクを用いる自給式呼吸器(SCBA)への更新に着手した。また海上自衛隊でも、あきづき型護衛艦よりSCBAに移行している。 OBAを着用する米海軍の応急員。 米海軍の応急員。SCBAを着用し、万能ノズルを構えている 巡洋艦「シャイロー」の応急監視制御盤 負傷者や火元の確認用の熱線映像装置(NFTI)
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