志村データ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/17 22:54 UTC 版)
S = ResC/R Gm を複素数から実数への乗法群のヴェイユの制限(英語版)(Weil restriction)とする。これは実代数群であり、群は R-点で、S(R) は C* で、C-点の群は C*×C* である。志村データ(Shimura datum)は、有理数体 Q 上で定義された簡約代数群 G と、次の公理を満たす群準同型 h: S → GR の G(R)-共役類 X からなるペア (G, X) である。 X の任意の h でウェイト(weight)が (0,0), (1,−1), (−1,1) のものは、gC の中にある、つまり、複素化された G のリー代数は下記の直和に分解する。 g ⊗ C = k ⊕ p + ⊕ p − , {\displaystyle {\mathfrak {g}}\otimes \mathbb {C} ={\mathfrak {k}}\oplus {\mathfrak {p}}^{+}\oplus {\mathfrak {p}}^{-},} ここに、任意の z ∈ S に対して、h(z) は最初の加える数に自明に作用し、 z / z ¯ {\displaystyle z/{\bar {z}}} (それぞれ z ¯ / z {\displaystyle {\bar {z}}/z} )を通して第二の(第三の)加える数(第三の和)へそれぞれ作用する。 h(i) の随伴作用はカルタン対合(英語版)(Cartan involution)を GR の随伴群上に引き起こす。 GR の随伴群は、H 上で h の射影が自明となるような Q 上に定義された要素 H を持たない。 これらの公理から X は一意な複素多様体の構造(離散的でもよい)を持ち、全ての表現 ρ: GR → GL(V) に対して、族 (V, ρ ⋅ h) がホッジ構造の正則な族をなし、さらに、ホッジ構造の変形を形成し、X はエルミート対称空間(英語版)(hermitian symmetric domain)の有限個の合併となることを示すことができる。
※この「志村データ」の解説は、「志村多様体」の解説の一部です。
「志村データ」を含む「志村多様体」の記事については、「志村多様体」の概要を参照ください。
- 志村データのページへのリンク