徹甲弾の演習弾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 14:45 UTC 版)
徹甲弾は、運動エネルギーを利用した弾丸であるため、もとより炸薬を内蔵していない。徹甲弾の演習弾は、所望の距離を飛翔した後は運動エネルギーつまり速度が低下する構造にして、安全化される。 高速で飛翔する弾丸は熱を帯びる。これは、高速で飛翔する弾丸先端の空気が圧縮されて生ずる熱(→ボイル=シャルルの法則)である。また、旋動安定方式の徹甲弾では遠心力も加わる。これらの外力を利用して、一定時間経過後に弾丸の運動エネルギーを低下させる機構をもつ。具体的には 少量の爆薬を内蔵し、自爆する。 弾底部からパラシュートを展開し、空気抵抗を増大させて減速、落下する。 分割された弾丸を低融点合金のボルトで一体化させ、飛翔時の熱でボルトを溶かして分解、落下する。 と、いった機構を内蔵する。 徹甲弾は炸薬を内蔵しないため、演習でも実弾を用いることがある。陸上自衛隊が戦車砲の徹甲弾の実弾射撃演習を行う場合、徹甲弾ドームと呼ばれる施設に向けて射撃を行い、万が一、弾丸が目標に命中しなかったときに高い運動エネルギーを保ったまま飛翔し続けるのを防止する安全措置がとられている。
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