従来の間葉系幹細胞との基本的な違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/11 05:34 UTC 版)
「ミューズ細胞」の記事における「従来の間葉系幹細胞との基本的な違い」の解説
間葉系幹細胞から単離したSSEA-3陽性のミューズ細胞と、それ以外のSSEA-3陰性の間葉系幹細胞(非ミューズ細胞)を比較した場合、大きく異なる点がいくつか報告されている。 限界希釈後の浮遊培養において、ミューズ細胞はES細胞の胚葉体に似たクラスターを形成するが、非ミューズ細胞は増殖せず、クラスターがほとんど形成されない。 ミューズ細胞に比べ、非ミューズ細胞の多能性関連遺伝子の発現は非常に低い、もしくは検出限界以下である。培養においては骨、軟骨、脂肪への分化は見られるが、外胚葉性あるいは内胚葉性の細胞への分化は見られない。 非ミューズ細胞を動物の体内に投与しても生体に残らず、投与数日後で検出限界以下となる。生体に残らないため、組織内での分化や細胞置換も見られない。従ってミューズ細胞でみられるような組織修復作用はもたらされない。ただし、非ミューズ細胞は損傷部位で生着しない代わりに各種サイトカインや栄養因子、さらには抗炎症因子を産生することで間接的に組織修復を助けていることが示唆されている。
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