弦と弧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 12:50 UTC 版)
円周と2 点で交わる直線を割線という。このときの交点を 2 点 A, B とするとき、円周によって、割線から切り取られる線分 AB のことを弦といい、弦 AB と呼ぶ。特に円の中心を通る割線を中心線という。中心線は円の対称軸であり、円の面積を 2 等分する。円周が中心線から切り取る弦を、円の直径という。直径の長さは半径の 2 倍に等しい。円周の長さは、円の大きさによってさまざまであるが、円周の長さの直径の長さに対する比の値は、円に依らず一定であり、これを円周率という。特に断りのない限り、普通、円周率は π で表す。円の半径を r(半径の英語 radiusの頭文字が由来) とすると、円周の長さは 2πr で表される。また、円の面積は、πr 2 で表すことができる。同じ長さの周を持つ閉曲線の中で、面積が最大のものである。(等周問題) 一方、円周は割線によって 2 つの部分に分けられる。このそれぞれの部分を 円弧 (arc) または単に弧という。 2つの弧の長さが等しくないとき、長い方の弧を 優弧 (major arc)、短い方の弧を劣弧 (minor arc) という。 2つの弧の長さが等しいとき、これらの弧を 半円周 という。このとき、割線は円の中心を通る中心線である。 円周上の2点 A, B を両端とする弧を弧 AB と呼ぶ。記号では、A͡B と表記する(記号 ⌒ は AB の上にかぶせて書くのが正しい)。これでは優弧・劣弧のどちらであるかを指定できていないデメリットがあり、一方を特定したい場合は、その弧上の点 P を用いて 弧APB のように表記する。 円 O の周上に2点 A, B があるとき、半径 OA, OB と弧 AB とで囲まれた図形を扇形 (sector) O-A͡B という。また、扇形に含まれる側の ∠BOA を弧 AB を見込む中心角という。一つの円で考えるとき、中心角とその角が見込む弧の長さは比例する。同様に、中心角とその角が切り取る扇形の面積も比例する。 弦 AB と弧 AB で囲まれた図形を弓形 (segment) という。
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