弁証法における矛盾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 09:43 UTC 版)
ドイツ観念論の哲学者ヘーゲルは、弁証法を定式化し、「一つの事物・命題には必ずそれ自身の否定が含まれる」ということを指摘した。矛盾の重要性を最初に指摘したのはヘーゲルである。ヘーゲルは、 ある物が運動するのは、それが今ここにあり、他の瞬間にはあそこにあるためばかりでなく、、同一の瞬間にここにあるともここになく、同じ場所に存在するとともに、存在しないためでもある。運動は存在する矛盾そのものである、ということになるのだ。 とした。マルクス学派はこの考えを受け継ぎ、レーニンは「弁証法とは物の本質そのものにおける矛盾の研究である」と述べた。 エンゲルスは、 何かある事物が対立を背負っているとすれば、それは自己自身と矛盾しているわけで、そのものの思想的表現も同様である。たとえばある事物が、あくまでも同一でありながら、しかも同時に不断に変化していることと、それ自身に「持続」と「変化」との対立をもっていることは一つの矛盾である。 として、「生物は一つの矛盾だ」と主張した。
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