幻覚剤を用いた治療研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 07:14 UTC 版)
「薬物依存症」の記事における「幻覚剤を用いた治療研究」の解説
アルコホーリクス・アノニマス (AA) の創始者のビル・ウィルソンの宗教体験はLSDによるものと言われている。幻覚剤は依存症の治療に効果を見せている。 LSDは、1950年代から1970年代初頭まで(つまり流通してから規制されるまで)のは、アルコール依存症の心理療法の効果を高めるとみなされており、30以上の研究報告があり、2012年にこれらのデータを結合したメタアナリシスを解析すればLSDを用いた場合は59%が禁酒を継続しており、偽薬では38%であった。ケタミンを薬物依存症の治療に使った研究を調査した2018年のシステマティックレビューでは、1997年から2018年までの間に7研究を見つけ、アルコールやヘロインやアヘンを含むオピオイドでの禁断率の上昇が認められ、2年まで追跡された研究であった。 イボガインは、ヒトにおいて薬物欲求の緩和や使用の再発の抑制を示しており、治療薬として承認されず安全性の懸念もあるが、世界中の数十のクリニックで用いられる、半日から1日以内に離脱症状の緩和が生じ、数週間まで薬物への渇望を減少させる。突然死の例が報告されているが、おそらく心整脈を誘発する傾向が原因である。 幻覚剤のアヤワスカがアルコールや麻薬の常習を減らしたという報告もある。禁煙のためにシロシビンを用いた被験者15人の予備的な研究が行われており、半年後では、心理療法やほかの薬物療法の通常35%未満の禁煙率よりも大幅に多い80%という経過が報告されている。 アメリカでの統計調査では、過去1年間におけるオピオイドの依存や乱用のリスクを、大麻の使用は55%低下させ、典型的な幻覚剤(LSD、シロシビンなど)は27%減少させている。
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