平成電電匿名組合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/20 00:48 UTC 版)
平成電電匿名組合(へいせいでんでんとくめいくみあい)は、認定通信事業者(旧・第一種電気通信事業者)である平成電電株式会社へ資金供給するための特別目的会社(SPC)であり、平成電電設備株式会社、および平成電電システム株式会社の2社を設立し、証券化した匿名組合[1][2]。
概要
平成電電匿名組合のルーツは、平成電電株式会社が直に発行していた「平成電電パートナーシステム」に遡る。1口1000万円の出資単位で、過去に第一弾と第二弾が募集されている。
- その後特別目的会社(SPC)方式による匿名組合のスキームが構築されていた。
- 1口当たり100万円の出資単位で、毎月1号ずつ募集し、第1号から第9号までが元本契約終了時、年8%の利率、第10号より倒産直前の第21号まで募集分が一部の元金返却で年10%の利率をうたい、新聞(日本経済新聞、朝日新聞)広告等で大々的に募集をした[3][4]。
2005年(平成17年)10月3日に平成電電が東京地方裁判所に対して民事再生法の適用を申請したのを期に、配当が停止されている[3]。出資者は19,000人(平成電電発表)にも及び、被害者の会などが結成されるなどした[5][6]。
出資であること、リスク説明が十分に行われていること、出資時の契約書に倒産時の対応が明記されていることから「被害者」ではないと会社側が主張していたが、募集方法や告知方法、経営状況、倒産(民事再生法適用申請)に至る経緯などに問題があるという指摘だけでなく、最終的に関係者が警視庁捜査2課に逮捕され詐欺罪で有罪となった[3][2]。
会社概要
- 平成電電設備株式会社/平成電電システム株式会社[3]
- 所在地:東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 富士ビル4階
- 代表取締役:熊本徳夫[3]
- 資本金:1000万円
- 事業内容:通信設備貸付事業、金銭貸付事業、全各号に関連する一切の事業など[7]
沿革
(平成電電株式会社情報も含む。)
- 2000年(平成12年)4月7日 - 平成電電設備有限会社設立。
- 2004年(平成16年)
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)
- 2009年(平成21年)3月1日 - 東京地裁において熊本徳夫に懲役6年、坂上好治に懲役3年の実刑判決が下る。
- 2010年(平成22年)9月29日 - 平成電電設備・平成電電システム両社の破産手続終結。
脚注
- ^ a b c d e 「平成電電元社長ら逮捕、出資金300億円詐取か」『読売新聞』読売新聞社、2007年3月5日。オリジナルの2007年3月7日時点におけるアーカイブ。2025年9月20日閲覧。
- ^ a b 「平成電電、金集めに「匿名組合」利用 返還要求かわす?」『朝日新聞』朝日新聞社、2007年3月6日。オリジナルの2007年3月8日時点におけるアーカイブ。2025年9月20日閲覧。
- ^ a b c d e 「平成電電元社長らを逮捕、架空投資で1億詐取か 警視庁」『朝日新聞』朝日新聞社、2007年3月5日。オリジナルの2007年3月7日時点におけるアーカイブ。2025年9月20日閲覧。
- ^ 「平成電電、新株予約権の特典で100人超から資金集め」『読売新聞』読売新聞社、2007年3月7日。オリジナルの2007年3月9日時点におけるアーカイブ。2025年9月20日閲覧。
- ^ 「平成電電、再建を断念・支援中止で資金繰りつかず」『日本経済新聞』日本経済新聞社、2006年4月17日。オリジナルの2006年4月21日時点におけるアーカイブ。2025年9月20日閲覧。
- ^ 「平成電電:新たなスポンサーつかず、破産申請へ」『毎日新聞』毎日新聞社、2006年4月17日。オリジナルの2006年4月21日時点におけるアーカイブ。2025年9月20日閲覧。
- ^ a b 「平成電電、偽契約書を大量作成…出資金流用隠ぺいか」『読売新聞』読売新聞社、2007年3月6日。オリジナルの2007年3月7日時点におけるアーカイブ。2025年9月20日閲覧。
- ^ 「平成電電、民事再生法を申請~負債1,200億円、サービスは継続」『INTERNET Watch』インプレス、2005年10月3日。2025年9月20日閲覧。
関連会社
外部リンク
- 平成電電被害対策弁護団 - ウェイバックマシン(2006年5月9日アーカイブ分)
- 平成電電匿名組合のページへのリンク