工学における位置付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 16:29 UTC 版)
工学の他の分野は、結果を得るにいたる過程において、「なぜそうなるか(why)」というよりもむしろ「どのようにしてそうするか(how)」ということを重視する傾向が比較的強いのに対し、数理工学では「なぜ(why)」という点を理論的に説明する姿勢が強い。このことからも数理工学は工学の中でも比較的理学に近い分野であると言うことができるであろう。 また数理工学はコンピュータを多く用いるという点で情報科学や情報工学と類似しており、場合によっては同一視されることや、いずれか一方をもう一方の部分集合と見なすことがまれにある。しかし情報科学や情報工学がクロード・シャノンを発端とする、すでにある程度体系化された分野の名称であるのに対し、数理工学はいまだ体系化が進んでおらず、新しい学問分野と言える。 このようになった経緯は、元々工学部での全学科共通科目の数学と物理を教える教員を理学部から招いたことが発端である。この理学教員のために、各大学工学部では1960年代に新しく学科を設立し始めたのが、現在の数理工学科(大学によっては物理工学科の名称)であるため、工学の中では理学に近いテーマとなった。さらには、数学出身教員と物理出身教員の接点は少なく、各々が独自に自分たちの出身講座の研究テーマを行ったことが、体系化されていない原因とも言える。
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