川の上流や下流に向けて吹く「川風」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/01 05:06 UTC 版)
「川風」の記事における「川の上流や下流に向けて吹く「川風」」の解説
世界中を見ても、ほとんどの河川は、川の周囲は緑地あるいは多少の植物が繁殖しており、河川の両岸は堤防のように少し高くなっている。また、川面は平らである。こういった地形の影響で、川は「風の通り道」となっている。 例えば、山沿いの川の場合、山沿いを降りてくる冷たい空気が標高の低い川面に集まってきて、支流が合流するにしたがって冷たい空気も集まり、川の流れとともに冷たい空気が川を下っていく。こうして、未明や朝を中心に、上流から下流に向かってひんやりとした風が流れる。 また、昼になると、前節で述べた海陸風のメカニズムによって、海から陸へと吹く海風が川にも流入してくる。海風は、平坦な川面を上流に向かって勢いよく流れ、日中は海風の通り道の役割を果たす。夜になると、陸地の冷えた空気が川に流れ込み、これが逆に川を伝って海へと流れ出す。 また、堤防などの小高い部分と平坦な川面がなす地形により、多くの河川では、風が比較的弱いときは、河川の周囲だけ風向きが川沿いに変わり、川の上流や下流に向かい風となって流れる。 こういった「風の通り道」としての効果は、近年、特に海沿いの都市のヒートアイランドを軽減するとして注目されており、東京などでは川風を利用した「風の道」の計画が進んでいる。
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