山陽新幹線の安全性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 17:56 UTC 版)
建設当時は高度経済成長期の真っ只中であり、コンクリートの材料に使う骨材(砂)が中国・四国・九州地方では不足していた。そのため、金属類を腐食させる塩類が多く含まれた海砂が使われた。海砂をコンクリート材として使う場合には塩類を十分に洗浄すれば問題がない。しかし実際は、洗浄を行うことは一般的ではなかった。また、建設後の強度試験では設計基準強度を下回るコンクリートが使用されていたことも明らかになっている。そのため東海道新幹線区間と比べるとトンネルや橋脚などのコンクリート部分の劣化が早い傾向を指摘されている。これは、過剰に含まれた塩類と透気性の高いコンクリートが鉄筋を激しく錆びさせているため(塩害)と想定されている。また、施工不良が原因とされる事故も1999年(平成11年)に発生しており、走行中の列車に落下したコンクリート片が直撃した(福岡トンネルコンクリート塊落下事故)。これに伴い、線内各所では緊急点検および補修工事が行われた。
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