山の鐘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 06:27 UTC 版)
山の鐘は谷川連峰の五つの小屋(土合山の家、谷川岳肩ノ小屋、蓬ヒュッテ、平標小屋、土樽山の家)についていた鐘。 1953年(昭和28年)に榎本進によって製作され、北千住の登山用品店・駒草山荘の長谷川勇(吉田勇)によって寄贈された。これは高波の新道開発や遭難救助活動を始めとした谷川岳周辺エリアの山岳振興に対して、戦前に交わした約束を長谷川が果たしたもの。 登山家の川崎隆章によって詠まれた短歌がそれぞれ彫られている。 土合の鐘 - 「トンネルに入りゆく汽車の笛かなし心にしみて亡き友思う」 肩の鐘 - 「鐘は鳴れみ山慕いて逝きし子の魂にもひびけ鳴り渡りゆけ」 蓬の鐘 - 「巡りきし峠は目路のひらけきて日は寂かなり亡き友思う」 平標の鐘 - 「日本海の気流はこりて湧く霧のしまきは深し亡き友思う」 土樽の鐘 - 「降り立てる山の小駅に亡き友の面影おもういざ谷川へ」 岳人の友情、山の誓い、遭難防止の願いが込められており、音色の違いによって悪天候時や黎明薄暮時に道しるべとして役割を果たした。
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