対角線公式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/18 00:45 UTC 版)
共円四辺形の頂点が隣り合う順に A, B, C, D であり、各辺の長さを a := AB, b := BC, c := CD, d := DA とするとき、対角線の長さ p := AC, q := BD は辺の長さを用いて p = ( a c + b d ) ( a d + b c ) a b + c d , q = ( a c + b d ) ( a b + c d ) a d + b c {\displaystyle p={\sqrt {\frac {(ac+bd)(ad+bc)}{ab+cd}}},\quad q={\sqrt {\frac {(ac+bd)(ab+cd)}{ad+bc}}}} と表せる:25:84。よって、トレミーの定理 p q = a c + b d {\displaystyle pq=ac+bd} も示せる。同じ設定のもと、トレミーの第二定理に従えば p q = a d + b c a b + c d {\displaystyle {\frac {p}{q}}={\frac {ad+bc}{ab+cd}}} である:25。 対角線の長さの和に関して不等式 p + q ≥ 2 a c + b d {\displaystyle p+q\geq 2{\sqrt {ac+bd}}} が成り立つ:p.123,#2975。ここで等号が成り立つための必要十分条件が、二つの対角線の長さが一致することであるということを、相加相乗平均の関係式を用いて示せる。さらに ( p + q ) 2 ≤ ( a + c ) 2 + ( b + d ) 2 {\displaystyle (p+q)^{2}\leq (a+c)^{2}+(b+d)^{2}} が成り立つ:p.64,#1639。 任意の凸四辺形が二つの対角線によって四つの三角形に分割されるが、共円四辺形においてそれら四つの三角形の向かい合う対は互いに相似になる。 二つの対角線 AC, BD の中点をそれぞれ M, N とすれば M N E F = 1 2 | A C B D − B D A C | {\displaystyle {\frac {MN}{EF}}={\frac {1}{2}}\left|{\frac {AC}{BD}}-{\frac {BD}{AC}}\right|} が成り立つ。ここに点 E, F は向かい合う辺を延長したときにできる交点とする。共円四辺形 □ABCD の二辺 AC と BD が E で交わるとすると A E C E = A B C B ⋅ A D C D {\displaystyle {\frac {AE}{CE}}={\frac {AB}{CB}}\cdot {\frac {AD}{CD}}} が成り立つ。 共円四辺形を成す辺の集合が一つ与えられれば、それらの並びだけを替えて、外接円と面積を変えることなく、三つの相異なる共円四辺形を作ることができる(面積が変わらないことはブラーマグプタの公式からわかる)。そのような共円四辺形のどの二つも、ひとつの対角線の長さは共通である:p84。
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