宿場の景観と建造物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 14:53 UTC 版)
電柱・自動販売機を移設し公共建築物(奈良井郵便局・消防詰所・奈良井会館等)も景観に合わせた建築にする等は景観整備の一般的な手法であるが、旧楢川村は上町・中町・下町に各2ヶ所ずつの水場を村単独事業で整備することで独自性を演出した。また、切妻平入の屋根は3/10勾配(いわゆる3寸勾配=16.7度)の長尺鉄板葺で、濃茶色を使用することが条例で規定されている。日本瓦を使用した場合には4/10以上の勾配(4寸勾配=21.8度)が建築基準法の規制から必要になってしまうため、伝統的な緩勾配の屋根形状に合わせる目的で長尺鉄板葺が指定されている。この緩勾配と出梁造(だしばりづくり)のため屋根表面は幅員5 - 8mほどの通りからは覗きにくい構造になっており、平屋などで万一見えたとしても艶消濃茶色のためほとんど目立たない。木曾谷の伝統的な板葺石置屋根(水場等で一部再現されている)では耐久性がないため、屋根を隠すことで伝統的な景観と家屋の耐久性の両立を図っている。また、雨樋についても茶系色のものを使用し、水平部分は鼻隠板で覆っている。
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