宮古民謡とは? わかりやすく解説

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宮古民謡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/07 01:30 UTC 版)

宮古民謡(みやこみんよう)は、日本沖縄県宮古列島で古くから歌い継がれている民謡である。宮古方言で「アーグ」、「アヤグ」と呼ばれ、漢字では「綾語」と書くる。

代表的な歌は、「とうがにあやぐ[1]」、「なりやまあやぐ[2]」、「漲水のクイチャー[3]」など。

特徴

神歌、古謡、民謡に大別され、神歌は主に地元の言葉で「カニスマ」と呼ばれる楽器を用いないアカペラで歌われる。古謡、民謡は代々「カニスマ」で歌われてきたが、20世紀に入ってピアノオルガン伴奏がつけられ、20世紀中ごろに沖縄の伝統楽器三線の伴奏が付けられた。歌詞は琉球民謡の八・八・八・六の琉歌形式を用いず比較的自由に歌詞をあてはめ、叙情的な曲調が多い。

神に祈りを捧げるための歌(ニーリ)から、豊作、税金完納の祈願、喜び(豊年の歌)、宮古の歴史上の英雄(目黒盛豊見親、仲宗根豊見親など)や琉球王朝時代に宮古島を担当するために首里王府から派遣されてきた役人を称える歌(「池間ぬ主[4]」、「根間の主」、「とうがにあやぐ」など)、恋歌(「伊良部トーガニー[5]」、「かぬしゃがまよ」など)、雨乞いの歌(クイチャー)など人間が生きていくうえで経験する数々の出来事をテーマにした楽曲が歌われている。

起源

宮古民謡の起源は各地域の御嶽や神社、島の聖地と呼ばれる場所などで行われる神事祭事を司る際に、神に捧げる祈りの言葉が抑揚を付けて祈られていた。やがてその祈りが次第にメロディックな要素を持ち始める様になり、いつしか神と人間とが繋がり、神に捧げ、願う為の神歌と呼ばれる様になっていった(地元の言葉で「ニーリアーグ」、祈りの歌、願いの歌と呼ばれる)。これらは宮古島の各集落の神事で歌われる神歌から、クイチャーアーグ、長アーグ、トーガニーアーグ、ションカネー(しゅんかに)といった歌が派生し、それが様々な形に枝分かれして宮古島の集落ごとに普及、浸透していった。

神歌

神歌は主に、ニーリ、ターシ、フサ、ピャーシといった種類に分類される[6]

三線の演奏

宮古民謡の三線の伴奏は1950年代から1960年代にかけて、古堅宗雄、友利明令、平良恵清らが中心となって作られた。その際、古堅が学んでいた琉球古典音楽の要素が随所に取り入れられ、伴奏の重要な基盤となっている。

脚注

  1. ^ 沖縄の島唄巡り「恋ししまうたの風~南の島々のうたを訪ねて」第25回「とうがにあやぐ」(宮古島)”. 美ら島物語. 日本トランスオーシャン航空 (2013年7月9日). 2019年2月13日閲覧。
  2. ^ 沖縄の島歌巡り「恋ししまうたの風~南の島々のうたを訪ねて」:第5回「なりやまあやぐ」”. 美ら島物語. 日本トランスオーシャン航空 (2011年6月27日). 2019年2月13日閲覧。
  3. ^ 沖縄の島唄巡り「恋ししまうたの風~南の島々のうたを訪ねて」第19回「漲水のクイチャー」(宮古島)”. 美ら島物語. 日本トランスオーシャン航空 (2012年12月5日). 2019年2月13日閲覧。
  4. ^ 沖縄の島唄巡り「恋ししまうたの風~南の島々のうたを訪ねて」第32回「池間ぬ主」(池間島)”. 美ら島物語. 日本トランスオーシャン航空 (2014年4月28日). 2019年2月13日閲覧。
  5. ^ 沖縄の島歌巡り「恋ししまうたの風~南の島々のうたを訪ねて」:第10回「伊良部トーガニ」(伊良部島)”. 美ら島物語. 日本トランスオーシャン航空 (2011年12月27日). 2019年2月13日閲覧。
  6. ^ 新里幸昭『宮古の歌謡』

参考文献

  • 稲村賢敷『宮古島庶民史』
  • 慶世村恒任『宮古史伝』
  • 新里幸昭『宮古の歌謡』 沖縄タイムス、2003年4月、ISBN 4-87127-159-5
  • 仲宗根幸市『琉球列島 島うた紀行(第2集 八重山諸島・宮古諸島)』 琉球新報カルチャーセンター 編、琉球新報社 刊、1998年2月、ISBN 4-89742-006-7



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