実質所得者課税の原則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 16:02 UTC 版)
課税物件の帰属については帰属関係の明瞭でない場合が多く、特に名義と実体、形式と実質が一致しない場合が問題となり、帰属をめぐって争われた例も少なくない。その帰属の関係の存否に関する原則を、実質所得者課税の原則(実質帰属者課税の原則)という。 所得税・法人税については、所得税法12条、法人税法11条において、実質所得者課税の原則が定められている。これらの規定は、その意義について以下の2つの見解がある。文理的にはどちらの解釈も可能であるが、法律的帰属説が妥当とされる。 法律的帰属説 法律上の帰属につき形式と実質が相違している場合には、実質に即して判定すべき、という考え方。 経済的帰属説 法律上の帰属と経済上の帰属が相違している場合には、経済上の帰属に即して判定すべき、という考え方。 また、固定資産税については、登記簿・土地補充課税台帳・家屋補充課税台帳・償却資産課税台帳に所有者として登記・登録がされている者に課すると規定されており(地方税法343条1項から3項)、実質ではなく形式によって帰属の関係が決定される。この決定方法を、「表見課税主義」という。
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