宗教行事について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 03:35 UTC 版)
イスラームの宗教行事に関しては、モーセやイエスの時代から伝承されてきた行事が取り入れられている行事と、多神教徒の時代における偶像崇拝の行事を取り入れている行事とがある。 初期の啓示には、「定めの夜(神の威力の夜)」に関してのものがある。「定めの夜」は、ラマダーン月の中の一夜であるとされるモーセ・イエスの時代から伝承されてきた「聖なる顕現時」における「聖なる40日」という概念が、ラダマーンの行事の中に取り入れられている、と見ることができる。 メディナ時代の啓示では、メッカには、その内部に、数々の明白な御しるしがある、としている。イブラヒームの御立ちどころの石や、カアバの黒石などは、神によって認められた聖石であるとされている(3章、97節)。 神の啓示によって、イスラームは「神のお宿」を二つまでその祭祀形式の中心に据えたままにした、という結果となった。 上記の啓示とは、正反対ともいえる啓示がムスハフの中にはある。それは、「神は、ムハンマド以前に、多くの民族に使徒をつかわした。しかし、そのたびに、シャイターンが、伝統的な行為(具体的には偶像崇拝の多神教)を立派なものであるかのように見せかけた。今日でも、彼がそういう者どもの保護者になっている(16章63節)」、という啓示である。 メディナ時代になると、神は、この二つの聖石信仰のほかに、多神教時代の偶像崇拝の行事を、いくつか黙認するようになったようだ。カアバは正式にはナバテア人の神であるフバルにささげられたものであるとされる。フバル像を主神とする神殿の祭祀は、人身御供の儀式を行う偶像崇拝を神事として執り行ってきた伝統を守ってきたものと思われる。
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