完治患者の血漿
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 21:16 UTC 版)
「COVID-19に対する薬剤転用研究」の記事における「完治患者の血漿」の解説
中国の公式の「新型コロナウイルス肺炎診療方案」では、2020年2月18日の試行第6版から、病状の進行が比較的に早い重症 (severe) または重篤 (critically ill) な患者向けに、回復者血漿療法が追加された。 2020年3月27日、中国・南方科技大学第二附属医院などのチームは、急性呼吸窮迫症候群 (ARDS) を併発した重症COVID-19患者5例に対して、COVID-19から回復した患者より採取した中和抗体を含む回復期血漿を投与して有効であったと報告した。それによれば、COVID-19の回復例(ドナー)5例 (18 - 60歳) から、回復期血漿を採取し、採取当日中に各患者に投与した。投与のタイミングは入院後10 - 22日目であった。その結果、4例で投与後3日以内に体温が正常化した。投与後12日で全例のウイルス量が陰性化した。投与後12日目に4例でARDSが軽快した。投与後2週間以内に3例が人工呼吸器から離脱した。体外式膜型人工肺 (ECMO) 使用は1例で、投与後5日目に離脱した。 アメリカや日本でも臨床試験が開始されることになった。 米国ガイドラインでは、現状では回復患者の血漿は、推奨または反対するためのデータが不十分であるとしている。
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