子宮収縮抑制薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 22:26 UTC 版)
塩酸リドトリン ウテロン、ウテメリンなど 切迫流産、切迫早産などで用いられる薬である。ウテメリンの場合は5%ブドウ糖液にて希釈して用いることが多い。有効量は毎分50~150μgであり毎分200μgを超えないように調節する。副作用には血球減少、肺水腫、横紋筋融解症などが知られている。白血球の減少にはG-CSF投与などで対処し、肺水腫防止のため、総輸液量を日々1000ml以下とし、輸液においてはナトリウム負荷をできるだけ避けるようにする。母体心拍数を120bpm以下に保つというやり方もある。横紋筋融解症は硫酸マグネシウム併用で起こりやすくなるため併用時はCK、Crのモニタリングを行うべきである。 硫酸マグネシウム マグネゾール、マグセントなど 塩酸リドトリンで陣痛抑制困難例や子癇時に用いられる。血清Mg濃度が4~8mg/dlになるように調節すると効果があるといわれる。塩酸リドトリンと併用をするときはloadingせず毎時1~2gで投与し、単独で使用する場合は4gを30分で投与し(loading)、その後毎時1~2gで維持を行うのが一般的である。高マグネシウム血症に注意が必要である。血清マグネシウム濃度が15mg/dl以上で呼吸抑制が起こることが知られている。陣痛が強すぎるとき(過強陣痛)にもよく用いられる。
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