妖精や神話との関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 14:32 UTC 版)
ルーマニアの歴史学者ミルチャ・エリアーデによれば、カルシャリは「空を飛ぶような印象を与える、踊り手達の能力」と記しており、この踊りが、馬を鞭打つ様と妖精ズーネ(英語版)の踊りの両方を表していると信じていた。この妖精達の「女王(主人)」 (Doamna Zînelor)は ヘロデヤやアラディアとしても知られており、ミルチャ・エリアーデは神話上のディアーナにも結び付けていた。 妖精との関連性から、妖精によって犠牲となったと考えられる人々をカルシャリの儀式で治癒できると信じられていた。 復活祭からペンテコステまでの2、3週間の間に、数人のバイオリン弾きと共に踊りが行われ、全ての関わった地域へと妖精たちは旅をして、その地の人々を治癒していたという。 舞踊にはこん棒や剣、旗や木製の馬の頭を用い、踊り手達はお互いを兄弟として扱い、カルシャリの慣習を尊重し、続く9日間は純潔を守る、とグループの旗に誓った。家に帰ると、彼らの旗は地面に固定され、一人のメンバーがそれに登って「戦争、愛する人々よ、戦争」と叫んだ。 カルシャリの儀式の起源は知られていないが、キリスト教以前の出生儀式と春の儀式に由来する、あるいは古代インド・ヨーロッパの馬の礼拝に根ざしているとも考えられている。カルシャリについて、17世紀のヨハンネス・カイオーニ(英語版)の楽譜に記されているとディミトリエ・カンテミールのDescriptio Moldaviae(1714)で言及されている。ミルチャ・エリアーデは「儀式の中での宣誓は神の名で行われるが、カルシャリで定められている神話や儀式の筋書はキリスト教と共通ではない」と記しており、少なくとも19世紀にはいくつかの地域でカルシャリの関係者が3年の間、ミサから排除されるといった形で聖職者からの反対があった。
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