女賊とルパン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 18:19 UTC 版)
「アルセーヌ・ルパンの裁き」の記事における「女賊とルパン」の解説
『アルセーヌ・ルパンの裁き』を南洋一郎が児童向けに翻案・脚色したポプラ社版『怪盗ルパン全集』の第29巻『ルパンと殺人魔』には「女賊とルパン」と題する短編が収録されている。南は序文で本作について「モーリス・ルブラン原作」と明言し「これまでのルパンとちがう一面がよく出ている」ため全集に収録したと述べているが、ルブランの筆になるフランス語の原稿は確認されておらず、全集の第13巻に収録され現行の新訂『シリーズ怪盗ルパン』全20巻およびポプラ文庫クラシックの復刻版から除外された『ピラミッドの秘密』と同様に南の二次創作物(パスティーシュ)である可能性が高いと見られている。 『ピラミッドの秘密』(当初は第1章とされ、1973年の改版以降は第10巻『七つの秘密』に編入された「地獄のわな」を含む)と比較した場合「孤児となった少女をルパンがブローニュの森で保護し、乳母のヴィクトワールに養育させる」と言うシチュエーションに共通点が見られる。また、ルブランの原典においても(当時のヨーロッパでは余り普及していなかった)ルパンの特技とされる柔術との出会いを意識した場面も盛り込まれているが、他のシリーズ作品でルパンが見せる柔術の描写とはやや整合性を欠いている。ルパンが最後に修道会へ大金を喜捨すると言う展開は、南の手になる他のシリーズ作品の翻案・脚色にも共通して見られるものである。
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