女紋(おんなもん)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 18:25 UTC 版)
主に畿内(近畿地方)を中心とした西国において普及している風習の 1つである。女紋とは実家の家紋とは異なり女系から女系へと伝える紋章のことであり、実家の家紋とは意匠も由緒も異なる。近畿の商家では外部から頻繁に有能な入婿を迎えて家を継がせる女系相続が行われたため、自然発生的に女系に伝わる紋が生まれたといわれる。特に近畿地方の商家においては「家紋が一つしかない家は、旧家とは言わない」ともいい、代々の女紋を持つ家は相当な旧家として敬意を持って遇されることが多い。関東をはじめ近畿以外ではこの風習は希であり、女紋という文化のないところでは婚姻に際し、習慣の違いからしばしば難色を示される場合もあるという(嫁いだのであるから当家の家紋を用いるべきという理由)。2018年現在でもこの風習は根強く残っている。 家同士の婚姻が主だった時代、女性が嫁ぐ場合に婚家に女紋を持って行く例も見られる。女紋の意匠は主に家紋を基にしているが、輪郭をかたどった「陰(かげ)・中陰(ちゅうかげ)」、「細輪」、「覗き」などやや女性らしいものが多い。女性が留袖に実家の家紋を用いる例が多く見られるが、女紋を継承している場合は女紋で留袖を作る。
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