天体物理学からの候補
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 05:00 UTC 版)
いずれもバリオンからなる。ビッグバン仮説においては、バリオンの存在量が予言できる。その値は、臨界密度の4%程度である。ところが、実際の宇宙の物質密度は臨界密度の22%程度であると見積もられている。したがって、以下の候補を全て考慮に入れたとしても元々のバリオンの量が足りない。そのため、非バリオン暗黒物質の存在を仮定する必要があることに変わりはない。 ブラックホール 恒星質量ブラックホールは、超新星爆発のときに生成される。質量が太陽の数百万倍から数十億倍もあるような超大質量ブラックホールは銀河中心で観測されているが、まだ成因はよく分かっていない。恒星質量ブラックホールが銀河系内にいくつくらい存在するのか、その質量分布がどのような物か、等も未だ明らかではないため、これは暗黒物質の候補となる。また、原子核大のマイクロブラックホールも多量に存在しているかも知れない。さらに、宇宙誕生後3分頃に生成されたブラックホールについては、上記のバリオン存在量の制限から逃れることができる。だが、ブラックホールの質量はダークマターに匹敵するものではないため、可能性は低いとされている。 白色矮星・中性子星 比較的小質量の恒星が燃え尽きると白色矮星・中性子星になる。こうした星が自分で出す光が小さい場合、暗黒物質の候補となりうる。 褐色矮星 恒星誕生の際、核融合が起こるほどのガス質量がなかった場合、明るく輝かないために観測は困難となる。近年、観測精度の向上によって褐色矮星が観測されるようになった。 惑星 観測できる多数の恒星がそれぞれ観測できない惑星を持っている可能性があり、これが暗黒物質の候補になる。 MACHO Massive Astrophysical Compact Halo Objectの略。銀河ハロー内に存在する、小さくて光学的に観測の不可能(あるいはきわめて困難)な天体の総称。上記の白色矮星、恒星ブラックホールもその一種である。
※この「天体物理学からの候補」の解説は、「暗黒物質」の解説の一部です。
「天体物理学からの候補」を含む「暗黒物質」の記事については、「暗黒物質」の概要を参照ください。
- 天体物理学からの候補のページへのリンク