正税
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/18 18:06 UTC 版)
正税(しょうぜい)または大税(たいぜい)とは、日本の律令制の令制国で、徴収した田租(および出挙の利息収入の利稲)の稲穀・穎稲(えいとう)を指す。国衙・郡衙の正倉に収められ、備蓄・出挙の元本・諸費用の支出に用いた。734年に統合などに伴い正式名となった。
- ^ 延喜式巻四、伊勢大神宮
- ^ 倉庫令では倉庫の中の米は最長でも9年ごとに入れ替える規定となっていたが、不動穀が満たされた正倉(不動倉)の鑰は都に集められて太政官が直接管理して太政官符による限り開封を禁じるなど、厳しい管理下に置かれていたため、両規定の間による矛盾によって生じたものと考えられている。
- ^ 表向きは「神の怒り」などの口実が付けられていたが、実態は正税横領・流用事実などの隠蔽や、政敵追い落としが目的であったとされている。
- ^ 出挙本稲のみを「正税」と呼ぶようになった背景には出挙の租税化とともに不動穀などの備蓄は既に底を突いてほとんど存在しておらず、残された正税を出挙に出して財用を補う機能しか存在していなかった実情の反映であるとも言える。
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