大環状ムスク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/06 05:45 UTC 版)
1926年にレオポルト・ルジチカにより、ジャコウジカの香嚢から単離された化合物の構造が解明され、ムスコンと名付けられた。翌1927年にM.Kerschbaumがアンゲリカ(セイヨウトウキ)の精油からムスク香を持つシクロペンタデカノリドを発見するなど、古くから研究が進められた。ラクトン、大環状アルコール、酸無水物、カーボネート、含硫・含窒化合物など多くの化合物が合成されたが、こんにち香料として工業的に生産されているものは比較的少ない。代表的な大環状ムスクとして、ケトン構造を持つムスコンやシベトン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデセノン、ラクトン構造を持つシクロペンタデカノリド、シクロヘキサデカノリド、アンブレットリド、エチレンブラシレートなどがある。ルジチカは、合成ムスクを含む環状ケトンの研究が評価され、1939年にノーベル化学賞を受賞している。大環状ムスクはニトロムスクに比べ人体への安全性が高く、多環状ムスクに比べ生分解性が高い特徴があるが、比較的高価であるため使用量は多くない。
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