大嶺炭田の化石
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 03:11 UTC 版)
美祢層群からはこれまで多くの植物、昆虫、二枚貝の化石が発見されていることで注目されており、美祢地域では美祢層群の中でも桃木層から多くの化石が見つかっている。化石は石炭層付近の頁岩から数多く見つかっており、特に地表付近の石炭を採掘するため、山陽無煙炭鉱による露天掘りが本格化した1966年(昭和41年)頃から多くの化石が発見されている。 美祢層群から発見される植物化石は主にシダ植物と裸子植物である。特に注目されるのが植物の生殖器官が見つかっていることである。生殖器官は植物の本体から離脱した形で発見される場合がほとんどであるが、中には植物についたままのものもあり、これは美祢層群の植物化石はどこかから流れてきたものが堆積したわけではなく、植物が生育していた場所で堆積したことを示していると考えられている。これは大嶺炭田の石炭についても同じことが言えるが、地殻変動や火成岩の影響を受けて無煙炭となってしまっているため、植物についての情報を得ることは出来ない。また美祢層群から発見される植物化石が主としてシダ植物と裸子植物であることから考えて、大嶺炭田の無煙炭もシダ植物、裸子植物の遺骸が堆積したものであったと推定されている。 またゴキブリ、トンボ、バッタ目といった昆虫の化石、そして二枚貝の化石も多く見つかっている。このようなことから、大嶺炭田の主要部が形成された美祢層群の形成時代は浅い海に面したジャングルが広がり、地殻変動によって陸化が進んだり、またある時は海水が浸入したりするような環境であったと考えられている。
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