大導師作法と過去帳読誦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 10:00 UTC 版)
初夜と後夜の悔過は「大時」といわれ特別丁寧に行われ、悔過作法の後に「大導師作法」「咒師作法」をおこなう。 大導師作法は聖武天皇、歴代天皇、東大寺に縁のあった人々、戦争や天災に倒れた万国の人々の霊の菩提を弔うとともに、現職の総理大臣以下の閣僚、最高裁長官などの名を読み上げ、その働きが天下太平、万民豊楽をもたらすよう祈願する。 初夜の大導師作法の間には「神名帳」が読誦される。これも神道の行事である。1万3700余所の神名が読み上げられ呼び寄せる(勧請)。お水取りの起源となった遠敷明神は釣りをしていてこれに遅れたと伝えられている。 また3月5日と12日の2回過去帳読誦が行われる。過去帳では聖武天皇以来の東大寺有縁の人々の名前が朗々と読み上げられる。 これには怪談めいた話がある。鎌倉時代に集慶という僧が過去帳を読み上げていたところ、青い衣を着た女の幽霊が現れ、 「など我が名をば過去帳には読み落としたるぞ」 と言った。なぜ私の名前を読まなかったのかと尋ねたのである。集慶が声をひそめて「青衣の女人(しょうえのにょにん)」と読み上げると女は満足したように消えていった。いまでも、「青衣の女人」を読み上げるときには声をひそめるのが習わしである。
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