大宝 (企業)とは? わかりやすく解説

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大宝 (企業)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/28 07:11 UTC 版)

大宝株式会社
Taiho Company, Ltd.
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 大宝
設立 1961年9月1日
業種 サービス業
事業内容 映画の配給
外部リンク 大宝
特記事項:1962年1月10日 業務停止
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大宝株式会社(たいほう)は、かつて存在した日本の映画配給会社である。1961年(昭和36年)8月31日の新東宝株式会社の倒産後、同年9月1日に配給部門を分社化して設立したが、わずか4か月後の翌年1962年(昭和37年)1月10日には業務停止となった。

略歴・概要

1960年(昭和35年)12月1日、経営不振から社長の大蔵貢が退陣、1961年(昭和36年)5月には製作を停止していた新東宝が同年8月31日をもって倒産。1950年(昭和25年)1月18日に設立されていた新東宝配給株式会社を母体に、同年9月1日に配給部門を分社化して設立した。

設立第1回配給作品は、新東宝のプロデューサーだった佐川滉が設立した佐川プロダクションが製作、おなじく新東宝の助監督であった山際永三が監督した『狂熱の果て』であった。

わずか4か月後の翌年1962年(昭和37年)1月10日には業務停止となった。佐川プロダクションが製作した『黒と赤の花びら』は、同年1月14日にかろうじて公開にこぎ着けている。『波止場で悪魔が笑うとき』も同年1月3日に『大吉ぼんのう鏡』と2本立てで公開されている。[1][2]

2009年(平成21年)、散逸していた『黒い傷あとのブルース』、『黒と赤の花びら』、『波止場で悪魔が笑うとき』の16ミリプリントが発見され、上映会が開かれている[3]。このプリントおよびポスター等の発見により、長らく「中川の幻の作品[4][3][5]」とされていた『波止場で悪魔が笑うとき』が、かつて1961年(昭和36年)に曲谷守平監督の『北上川悲歌』を製作した第一プロダクション[6]製作・「中川」監督作品であることが判明した[3]

また、『狂熱の果て』は東京国立近代美術館フィルムセンター(現・国立映画アーカイブ)に35mmネガフィルムが収蔵されていると判明。[2] 2018年2月2日・20日にフィルムセンターの上映企画「発掘された映画たち2018」でニュープリントにて56年ぶりに上映された。[7] なお、開催期間中(2018年1月30日~3月4日)はフィルムセンター大ホール前に『狂熱の果て』の台本・スチール写真・公開当時の縦長ポスターが展示された。さらに、2018年10月24日・12月5日に国立映画アーカイブの上映企画「国立映画アーカイブ開館記念・アンコール特集」で再上映された。

フィルモグラフィ

  • 『狂熱の果て』、監督山際永三、製作佐川プロダクション、1961年11月1日公開(現存)
  • 『黒い傷あとのブルース』、監督小野田嘉幹、製作佐川プロダクション、1961年11月22日公開(現存)
  • 飼育』、監督大島渚、製作パレスフィルムプロ、1961年11月22日公開(現存)
  • 『大吉ぼんのう鏡』、監督猪俣勝人、製作シナリオ文芸協会、1962年1月3日公開(現存)
  • 『波止場で悪魔が笑うとき』、監督中川順夫、製作第一プロダクション、1962年1月3日公開(現存)
  • 『黒と赤の花びら』、監督柴田吉太郎、製作佐川プロダクション、1962年1月14日公開(現存)

  1. ^ シネマトライアングル「発掘!幻の大宝映画」より"http://www.cinema-triangle.com/daiho/"
  2. ^ a b 「異端の映画史 新東宝の世界」2017年2月3日 映画秘宝編集部・編 洋泉社・刊
  3. ^ a b c #外部リンク欄、nipponeiga.comの「大宝」の項を参照、2009年10月20日閲覧。二重リンクを省く。
  4. ^ キネマ旬報』誌の1962年3月下旬号の記述
  5. ^ 波止場で悪魔が笑うときkinejun.jp, 2009年10月20日閲覧。
  6. ^ 北上川悲歌日本映画データベース、2009年10月20日閲覧。
  7. ^ 国立近代美術館フィルムセンター ホームページ 上映企画「発掘された映画たち2018」"https://www.momat.go.jp/fc/exhibition/hakkutsu2018-2/#section1-2"

外部リンク


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