夢二
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/06 09:04 UTC 版)
夢二 | |
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Yumeji | |
監督 | 鈴木清順 |
脚本 | 田中陽造 |
製作 | 荒戸源次郎 |
出演者 | 沢田研二 毬谷友子 |
音楽 | 河内紀 梅林茂 |
撮影 | 藤澤順一 |
編集 | 鈴木晄 |
製作会社 | 荒戸源次郎事務所 |
配給 | ムービーギャング |
公開 | ![]() |
上映時間 | 128分 |
製作国 | ![]() |
言語 | 日本語 |
『夢二』(ゆめじ) 1991年公開の日本映画。荒戸源次郎事務所製作、鈴木清順監督作品[1]。竹久夢二を題材に[2][3]、女性たちとの華やかで幻想的なつながりを描く[4]。第44回カンヌ国際映画祭ある視点部門正式出品作品。
『ツィゴイネルワイゼン』(1980年)、『陽炎座』(1981年)と合わせて「(大正)浪漫三部作」と呼ばれる[2][3][4]。三部作中唯一、原作がないオリジナル脚本(田中陽造)作品である[5][6]。鈴木の代表作の一つで、独特な映像美と難解な物語の進行が見るものを幻惑すると評される[2][3][6]。
あらすじ
1917年、金沢。駆け落ちを約束した恋人を待つ竹久夢二(沢田研二)は、隣村で妻と妻の愛人を殺した殺人鬼(長谷川和彦)が山へ逃げたという噂を耳にする。約束の恋人は現れず、芸術家としての苦悩にも悩まされていた夢二は、湖上で人妻に出会い、逢瀬を重ねるが……[3]。
スタッフ
- 製作:荒戸源次郎
- 監督:鈴木清順
- 脚本:田中陽造
- 差配:秋山道男、孫家邦
- 音楽:河内紀、梅林茂
- 歌唱:淡谷のり子「宵待草」
- 撮影:藤澤順一
- 録音:橋本文雄
- 美術:池谷仙克
- 写真:荒木経惟
- 洋装:永澤陽一
キャスト
- 竹久夢二:沢田研二
- 脇屋巴代:毬谷友子
- 彦乃:宮崎萬純
- お葉:広田玲央名
- 鬼松:長谷川和彦
- 脇屋:原田芳雄
- 稲村御舟:坂東玉三郎
- 女将:大楠道代
- 乳母:宮城千賀子
- 刑事:麿赤兒
- 女郎:余貴美子
- 緑の女:新舩聡子
- 銭湯のおかみ:芹明香
- 世話役:牧口元美
- 付添い:中沢青六
- モダンボーイ:鈴木晋介、山根鉄仙、久保史
- モダンガール:秋山晴子、門田圭子、矢沢美紀[1]
- 大和屋竺、梅林茂[1]
※オープニングクレジットでは、大正ロマンの雰囲気を出すためか、主たるスタッフの職種を旧字体、かつての呼び名?で表記される。「株式会社」→「株式會社」、「企画」→「企畫」、「プロデューサー」→「差配」、「キャスト」→「表方」、「スタッフ」→「裏方」、「音楽」→「音樂」、「録音」→「錄音」、「スチール」→「寫眞」など。エンドクレジットでは通常の字体で長いタイトルロールが出る。
製作
撮影
鬼松役の長谷川和彦は、本作が2024年まで唯一の俳優として出演[2][3]。中盤馬に乗って片手にカマを持ち、高速で走り抜け、段差の駆け上がるシーンをスタントなしで自身でこなしており、相当な乗馬歴を感じさせる。
ロケ地
主なロケ地は石川県金沢市の湯涌温泉[5][6]。エンドクレジットに「協力」として石川県、金沢市と出て、JR犀川荘、北陸粟津温泉法師、北陸山中温泉五明館が表記される。キャスト・スタッフが宿泊したのか、ロケで使われたのかは分からない。冒頭10分程度、竹久夢二(沢田研二)が女郎(余貴美子)と絡むシーンの途中に桜木町駅(表記は櫻木町駅)設定の駅舎が映る。その後金沢に行く過程を静岡、愛知、京都、石川各地の当時の旅行案内のような紙を並べて表現している。15分頃から以降ラストまで石川県が舞台になる。
宣伝
公開日翌日にTBSのクイズ番組『クイズダービー』第789回(1991年6月1日放送分)に長谷川がゲスト解答者として、沢田・毬谷、鈴木・宮崎、原田・広田が出場者として出演した。
作品の評価
「(大正)浪漫三部作」のうちでは前2作よりも評価において後塵を拝する印象が強いが、飄々とした軽やかな雰囲気を高く評価する向きもある。
ソフト状況
ワーナー・ホーム・ビデオからビデオとLDが長く発売されていた[3]。2023年11月11日には、鈴木清順の生誕100周年を記念して先述の浪漫三部作が4Kリマスター化され、2024年4月12日に「夢二【4Kデジタル完全修復版】」が、TCエンタテインメントからUltra HD Blu-ray(2枚組)で発売されている[4]。「浪漫三部作」【4Kデジタル完全修復版】 UHD+Blu-ray BOX(6枚組)も同時に発売[4]。
リバイバル上映
2023年『SEIJUN RETURNS in 4K』として全国の劇場で特集上映された[4]。
影響
脚注
- ^ a b c 夢二 - 国立映画アーカイブ
- ^ a b c d 映画 夢二 – WOWOW
- ^ a b c d e f 『ぴあシネマクラブ 日本映画編 2004-2005 夢二』ぴあ、2004年、678頁。ISBN 978-4835606170 。
- ^ a b c d e 夢二【4Kデジタル完全修復版】 UHD+Blu-ray(2枚組) – TCエンタテインメント
- ^ a b “鈴木清順監督と湯涌温泉”. 金沢日和 (2017年2月28日). 2025年4月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年9月6日閲覧。
- ^ a b c d 神保慶政 (2021年7月21日). “夢二 極彩色の紅葉―北陸の風土が彩る 画家・竹久夢二の迷宮的世界観”. 旅×映画. 西遊旅行. 2024年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年9月6日閲覧。
外部リンク
夢二(ゆめじ)
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LGBTであり、竹郎と事実婚している。5年ほど前から竹郎と共に百目鬼村でレストランを開業している。LGBTを否定する竹郎の親族から30年間姿をくらませていた。
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