外皮構造物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 13:18 UTC 版)
ロンギスクアマはその背中に沿って生える特有の外皮構造物によって特徴付けられる。模式標本 (PIN 2584/4) はこの付属突起が骨格の背部から飛び出ているのが保存されている唯一の化石である。この化石には扇のように広がった7本の付属突起が残っているが、突起先端は保存されていない。PIN 2584/9 にはまとまった5本の完全な付属突起が保存されている。PIN 2584/6 には2本並んで長く曲がった付属突起が残されている。PIN 2585/7 や FG 596/V/1 などの他の標本は付属突起が1本だけ保存されている。これらの構造物はその全長に渡って細くかつ長く、先端近くで後方に屈曲しホッケースティックのような外観を得ている。近位の直線部分は縦に3つの部分に分かれている。前縁と後縁のなめらかな部分とそれらの間を走る中央の隆起部である。中央の隆起部分は盛り上がった襞と深い隙間からなり、Sharovはこれをロザリオの数珠に例えた。遠位部は近位部の3つの部分のうち中央部と前縁部の延長であると考えられている。前縁部が遠位で広がるのに対し、後縁部は近位から遠位に向かうに従って細くなっていく。加えて、近位の2/3あたりから遠位端まで前縁に張出が現れる。遠位部の前後両縁は溝の付いた軸によって隔てられている。遠位部の前縁後縁の襞はきれいにそろって並んでいる標本もあればそうなっていない標本もある。ある標本ではまっすぐな襞が軸に直角に並んでいるが、別の標本では襞はS字の曲線を描く。PIN 2584/5と名付けられた標本では、遠位の軸から飛び出ている数本の棘が見られる。 模式標本ではこれら各構造物は背骨の棘突起に繋がっている。接合部は高くなった瘤として観察可能である。これら付属器官の基部はかすかに膨らんでおり、構造物の残りの部分が平たくなっているのと対照的である。膨らんだ形状というのはこの構造物の基部が管状であり、哺乳類の体毛や鳥類の羽毛など他の外皮構造物のように毛嚢や羽嚢に繋ぎ止められていた証拠である可能性がある。さらに、脊椎に対応している各構造部の近位端は、その基部が厚い軟組織の層(それが羽嚢であった可能性もある)で覆われていたことが示唆されている。
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