外奎章閣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 16:11 UTC 版)
「朝鮮半島から流出した文化財の返還問題」の記事における「外奎章閣」の解説
1975年、フランスの国立図書館司書であったパク・ビョンソンが書庫に蔵書されているのを発見。これは李氏朝鮮時代の1866年に起きた丙寅洋擾の際に、フランス海軍極東艦隊がソウル近郊の江華島に侵攻し、御覧用の『朝鮮王室儀軌』である『外奎章閣』を略奪したもので、191種、297巻がフランス国立図書館に所蔵されている。 韓国政府はフランスに対してこの文書の返還を要求してきたが、フランス政府は1993年にフランソワ・ミッテラン大統領が訪韓した際に、金泳三大統領との間で貸与に原則的に合意したにもかかわらず、1巻を永久貸与したのみで、その他の返還・貸与には応じていなかった。これは、そもそもフランスが所有権を持つとともに、永久貸与自体にフランスの国内法上の問題があり、この文書以外の多数の外国文化財の返還問題に影響が及ぶおそれがあるためとされた。 1993年の合意と同時期には、韓国でのフランスのTGV導入も決定されたため、韓国国内ではフランス政府がTGVを売り込むために嘘をついたとの世論が惹起し、2007年1月には、韓国の市民団体がフランスの裁判所に返還を求めて訴訟を提起していた。しかし、2009年末に『外奎章閣』はフランスの国有財産であり、取得の状況や条件はこの事実に影響を与えないとの判決が出ている。 2010年11月12日、李明博大統領とニコラ・サルコジ大統領の間で会談が行われ、5年毎にフランスから韓国へ「貸与」を更新し続けるという形で、事実上韓国に返還されることが決まった。
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