墳丘裾護岸工事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 09:03 UTC 版)
「土師ニサンザイ古墳」の記事における「墳丘裾護岸工事」の解説
長年による濠水の波浪による浸食で墳丘裾部がえぐられる状態にあたったため、2014年(平成26年)・2015年(平成27年)に、宮内庁によって墳丘裾の護岸工事が施工された。 整備工事にあたり以下の3点を原則とされた。 遺構・遺物に影響を与えないこと。 可逆的な工法を用いること。 景観に配慮すること墳丘の葺石として用いられている石材は、調査概要内で上述したが、大阪南部地区や神戸市六甲山山麓付近の石が用いられているため、工事に使用する石材は、葺石と混同しないために、葺石と異なる岩種が用いられた。 整備工事は保全を目的とし、復元的な工事を行わない工法を選択し、「補強土壁工」という工法が用いられた。 割栗石と法面補強ユニットが用いられ、浸食部に良質の土が充填され、植生シートが設置された。施工数か月後には、植生シートと植生土壌の種が芽吹き、墳丘裾は緑で覆われ、割栗石、法面ユニットが見えなくなり、景観に配慮されていることが確認できた。ただし、法面ユニットは本来の墳丘第1段斜面の傾斜角と異なっているため、この状況が築造時のものと誤解されないようにする考慮が必要といえる。
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