塩浴法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/05/05 15:56 UTC 版)
塩浴法の例 : 溶融塩浸硫法と水溶液を使った硫化処理がある。 a)溶融塩浸硫法 :中性塩浴法と還元性塩浴法がある。 NaCl、BaCl2、CaCl2 を主剤として、FeS、Na2SO4、K4Fe(CN6)、Na2S などを添加したものを用いる(中性塩浴法)。 NaCl(17%)+BaCl2(25%)+FeS(13.2%)+Na2SO4(34%)+K4Fe(CN)6(3.4%) ……左記、配合剤の540 - 560℃の溶融液に浸漬処理。 NaCNやKCNの還元性塩を基剤として、これに硫黄化合物を配合したものを使用。メリットとして、CN基の触媒作用により硫化作用の効率が良く、イオウの酸化も抑制されて消耗を低減できる点がある。また、処理温度の設定により窒化作用も加わるので浸硫窒化法とも呼ばれる。この場合、外側から順に硫化被膜・窒素化合物・窒素拡散層と積層され、浸硫窒化層として形成される(還元性塩浴法)。 NaCN(51.6%)+Na2CO3(34.6%)+NaCl(13.8%)+Na2SO4(10%) b)硫化処理は浸漬法と電解法がある。NaOH(25-60%)水溶液+硫黄粉末(2-25%、S)の水溶液に処理品を浸漬、100-150℃x1h にて加熱処理で硫化鉄被膜を得る(浸漬法)。 Na2S2O3(100〔gf/L〕)+H3BO3(30〔gf/L〕)に処方の水溶液を使用、3-20〔mA/cm2〕の電流密度で処理品を陽極にセットし電解処理(60-180秒)、但し処理表面活性化のため処理品を予め陰極にして5-20秒ほど通電、前処理すると処理効率が良い(電解法)。
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