硫酸ナトリウム
(Na2SO4 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/11 23:51 UTC 版)
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| 物質名 | |
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Sodium sulfate |
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別名
Sodium sulphate |
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| 識別情報 | |
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3D model (JSmol)
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| ChEBI | |
| ChEMBL | |
| ChemSpider | |
| ECHA InfoCard | 100.028.928 |
| E番号 | E514(i) (pH調整剤、固化防止剤) |
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PubChem CID
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| RTECS number |
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| UNII |
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CompTox Dashboard (EPA)
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| 性質 | |
| Na2SO4 | |
| モル質量 | 142.04 g/mol (無水物) 322.20 g/mol (十水和物) |
| 外観 | 白色の結晶性固体 吸湿性 |
| 匂い | 無臭 |
| 密度 | 2.664 g/cm3 (無水物) 1.464 g/cm3 (十水和物) |
| 融点 | 884 °C(無水物) 32.38 °C (十水和物) |
| 沸点 | 1429 °C(無水物) |
| 無水物: 4.76 g/100 mL (0 °C) 28.1 g/100 mL (25 °C)[1] 42.7 g/100 mL (100 °C) 七水和物: 19.5 g/100 mL (0 °C) 44 g/100 mL (20 °C) |
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| 溶解度 | エタノールに不溶 グリセリン、水、ヨウ化水素に溶ける |
| 磁化率 | −52.0·10−6 cm3/mol |
| 屈折率 (nD) | 1.468 (無水物) 1.394 (十水和物) |
| 構造 | |
| 直方晶系 (無水物)[2] 単斜晶系 (十水和物) |
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| 薬理学 | |
| A06AD13 (WHO) A12CA02 (WHO) | |
| 危険性 | |
| 労働安全衛生 (OHS/OSH): | |
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主な危険性
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刺激性 |
| NFPA 704(ファイア・ダイアモンド) | |
| 引火点 | 不燃性 |
| 安全データシート (SDS) | ICSC 0952 |
| 関連する物質 | |
| その他の 陰イオン |
セレン酸ナトリウム テルル酸ナトリウム |
| その他の 陽イオン |
硫酸リチウム 硫酸カリウム 硫酸ルビジウム 硫酸セシウム |
| 関連物質 | 硫酸水素ナトリウム 亜硫酸ナトリウム 過硫酸ナトリウム 二硫酸ナトリウム |
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特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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硫酸ナトリウム(りゅうさんナトリウム、sodium sulfate)とは、化学式 Na2SO4 で表される、硫酸とナトリウムとの塩である。なお、硫酸ナトリウム十水和物は芒硝(ぼうしょう)などとも呼ばれ、生薬の1種として扱われる事もある。また、これが主要な成分として溶解している温泉を、かつて日本では硫酸塩泉の1種の芒硝泉と呼んでいた。
性質
常圧における無水硫酸ナトリウムの融点は884 ℃であり、常温においては無色で、比重2.698の固体として存在する。無水硫酸ナトリウムは水に可溶で[3]、水溶液は中性を示す[3]。
硫酸ナトリウムの飽和水溶液から常温で結晶化すると、硫酸ナトリウム十水和物が得られる。乾燥の操作を行わなければ、この状態で存在することが多い。十水和物は芒硝(ぼうしょう)[4]、グラウバー塩[5]、ミラビライト[6]と呼ばれ、十水和物の比重は1.464で、常温常圧では無色の固体として存在し、水に可溶である。転移温度の 32.38 ℃で水和水が結晶水になる。水和物を乾燥した空気中に放置すると風解するが[7]、無水物を湿った空気中に放置すると水和物となる[3]。
硫酸ナトリウムは、水への溶解度の温度依存性が特徴的で、十水和物と無水物とで、その挙動が異なる。十水和物 (Na2SO4•10H2O) は水温の上昇に伴って溶解度が増加する。しかし、無水物 (Na2SO4) の溶解度は水温の上昇に伴って、逆に溶解度が減少する場合がある。実際、硫酸ナトリウムの溶解度は32.38 ℃までは上がり続けるのに対し、さらに高温にすると少しずつ低下してゆく。これは低温域では十水和物が析出するのに対し、高温域では無水物が析出するからである。
製法
塩化ナトリウムと濃硫酸を加熱すると、硫酸ナトリウム無水物が得られる。
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