塩化トリフルオロアセチル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/08 15:06 UTC 版)
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| 物質名 | |||
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Trifluoroacetyl chloride
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別名
2,2,2-Trifluoroacetyl chloride |
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| 識別情報 | |||
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3D model (JSmol)
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| バイルシュタイン | 1098994 | ||
| ChEBI | |||
| ChemSpider | |||
| ECHA InfoCard | 100.005.961 | ||
| EC番号 |
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PubChem CID
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| UNII | |||
| 国連/北米番号 | 3057 | ||
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CompTox Dashboard (EPA)
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| 性質 | |||
| C2ClF3O | |||
| モル質量 | 132.469 | ||
| 融点 | −146 °C (−231 °F; 127 K) | ||
| 沸点 | −27 °C (−17 °F; 246 K) | ||
| 危険性 | |||
| GHS表示: | |||
| Danger | |||
| H312, H314, H330, H335, H412 | |||
| P260, P261, P264, P271, P273, P280, P284, P301+P330+P331, P302+P352, P303+P361+P353, P304+P340, P305+P351+P338, P310, P312, P320, P321, P322, P363, P403+P233, P405, P501 | |||
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特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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塩化トリフルオロアセチル(えんかトリフルオロアセチル、英: Trifluoroacetyl chloride)は化学式C2ClF3O[1]で表される化合物である。この化合物は塩化アセチルの全フッ素化体であり有毒な気体である。高圧下で液体として輸送されている[2]。
性質
塩化トリフルオロアセチルの蒸気密度は空気の4.6倍であり、高圧下20℃の液体状態で1.384 g/mLである[1]。融点は−146 °C、沸点は−27 °C である[1]。水や湿った空気と容易に反応し、トリフルオロ酢酸と塩化水素を生成する[2]。アミン、アルコールなどと激しく反応する。また金属塩が存在する場合はあらゆるエーテルと激しく反応し、時に爆発を引き起こす[2]。塩化トリフルオロアセチルの塩素原子はヨウ素、フッ素、シアン化物、チオシアン酸塩、イソシアネートなどと置換可能である。金属アルキルとはCF3COCl+MR→CF3COR +MClのように容易に反応する。ここで金属Mとしてはリチウム、銅、マグネシウム、水銀、銀、カドミウムなどがある。ケテンと反応しエステル化が進行した場合、トリフルオロアセト酢酸エステルが得られる。その他、土壌、セルロース系吸収材、粘土系吸収材とも反応する[3]。
製造
トリフルオロアセトアルデヒドの触媒的塩素化によって生成される[4]。
応用
塩化トリフルオロアセチルは医薬品、農薬、ファインケミカル産業などにおいて合成中間体として使用されている[2]。用途の一つとして反応物に対してトリフルオロメチル基を導入することが挙げられる。
毒性
液体状態の塩化トリフルオロアセチルは皮膚と接触すると凍傷を引き起こす。気体状態のものを吸入した場合、目や皮膚、粘膜を刺激する。燃焼時には有毒ガスが発生する[2]。また気道の腐食作用、催涙作用を有する。ラットがこの化合物を吸入すると呼吸困難を引き起こす。生物蓄積は顕著ではないが、水生生物に対して有毒である。
脚注
出典
- ^ a b c “トリフルオロアセチルクロリド”. 2025年10月8日閲覧。
- ^ a b c d e “Trifluoroacetyl chloride”. 2025年10月8日閲覧。
- ^ “TRIFLUOROACETYL CHLORIDE”. 2025年10月8日閲覧。
- ^ “Process for preparing trifluoroacetyl chloride” (英語). 2025年10月8日閲覧。
関連項目
- ハロカーボン
- 塩化トリクロロアセチル
- 無水トリフルオロ酢酸
- 塩化トリフルオロアセチルのページへのリンク


